あらず

幸せになりたい。
万人が、「幸せそうね」と思ったところで、本人が幸せだと感じなければ、それは幸せではないだろう。
欲が深いのだ。自分が望んだもの全てが叶うことはないと、理解はしている。それでも欲してしまう。
あれもこれもと、手に入れたい。

全てが億劫だ、思考停止に等しい。何も考えたくない。
将来のこと、生活費、明日の予定、今後の方針。自分に全く関係ないこと。
色々。

最近の自分がよくわからない。
構ってちゃんが進行したように思える。
死ぬ死ぬ詐欺はしなくなったが、実際は外出するたびに事故に遭わないかなと考えている。

この前の女子会。
知り合いともいかない人物が一年ほど前に、酒に酔って歩いて帰宅途中に道路に寝転んで死亡した。
同年代の人間に先を越されたのは癪だったが、「酔っていた」という理由で運転手は罪が軽くなったらしいし、死んでしまったことでまるでヒーローの様な持ち上げ方をされていたし、真似というか、模倣しようとして、しこたま飲んで、泥酔して、帰り道で死んでやろうと思ったのだけど、気の許せる人間が居ないことで酔うことすら出来なかったので、実際何事もなく帰宅してしまった。
とても残念だった。
自分一人の力では、死ぬこともできないのだ。
弱虫だろう。早く死んでしまいたい。

今の生活に不満が無いといえば嘘になるが、それでも友人と遊んだり、趣味に没頭したりと、充実はしているのに、ふとした時に、死にたい気持ちが溢れてきて、「死ななくてはならない」という思いが、頭の中に充満する。
そういう病気とかあるんだろうか。
とても楽しい時間を過ごしていても、「死にたい」が頭の中を支配して、それでも一緒に遊んでくれている友人たちには失礼だからと、何もない顔をして過ごしているが、どうなんだ。

誰かは「死ぬのに理由なんて無いだろう」と言ったが、そういう事なんだろうか。
特に辛いこともないのに、死にたくなるのは、とても贅沢な悩みだと思っていたが、それでもいいのだろうか。

悩まなくてもいいことに悩んで、本当に悩まなくてはいけないことを後回しにしている。
結局のところ、現実から目を背けて、楽をしたいだけなのだ。
いつもそうだ。逃げてばかりで、全く成長していない。
まるで外見だけが大人になった、世間を知らない子供だ。
思考もまるで子供のようだ。

いつか死ぬ、必ず。死んでやる。
毎月書いている遺書もどきの今月の分を書いていない。
実際、遺書を残したところで、あの女がその通りにするとも思えない。
いっそのこと、なかったことにしたい。
この世に自分が存在していたのだという形跡を、すべて消し去りたい。
そうすれば、死んだあとのことを憂う必要もないのだ、元から存在していなかったことになるのだから。

なんで死にたくなるんだろう。
今思ったが、何もしたくないから死にたいのかもしれない。
生きているとしなくちゃいけないことが次から次へと無尽蔵に溢れてきて疲れるから、きっとそうだ。何もしたくないのに生きているとしなくちゃいけないから、きっと死にたくなるのだ。
そのうち息をするのも億劫になって、そうして死ぬ。
それが早いか遅いかだけなんだ、きっと。